何事にもスピードが求められる今、大事な決断においてもスピード重視のマインドになってないでしょうか?
多くの仕事では、スピードは、重要な要素です!
特にエッセンシャルワーカーの皆さんは、インフラ維持や生命にかかわる仕事であるため、その場の判断や求められます。
それ以外でも、「スピード感がある=仕事ができる」的な考え方も、ジワリと浸透していますよね。
しかし、人生では、即決できないこと、もやもや~が生じる出来事、などなど、、、ありませんか???
モヤモヤしていると、あせったり、立ち止まっている自分に不安になったり、無理に結論付けようとしていませんか?
私も「ネガティブケイパビリティ」という言葉を聞くまでは、モヤモヤと立ち止まっている自分が、ダメな自分だと思っていました。
ネガティブケイパビリティとは
ネガティブケイパビリティとは、ギュッとして言うと「事実や理由をせっかちに求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力」ということ、らしい。
「モヤモヤする力」とも言われています。
ネガティブケイパビリティって誰が言った言葉?
イギリスの詩人ジョン・キーツが兄弟に宛てた手紙に出てくる言葉だそう。
この段階では、あくまで私的な手紙の中のもので、文学の分野で使われた言葉でした。
この手紙の中にシェイクスピアもこの能力を有していることが記されています。
精神分析としてのネガティブケイパビリティ
同じくイギリスの精神分析医のウィルフレッド・R・ビオンが、ネガティブケイパビリティを精神分析の分野に取り入れています。
ビオンは、精神分析医は、「患者との間で起こる現象、言葉に対して不可思議さ、神秘、疑念をそのまま持ち続け、請求な事実や理由を求めないという態度が必要」と言っています。
これは、精神分析学には、知見が多く、理論を患者にあてはめて、理解しようとしがちであるが、それは、いかがなものかと警鐘を鳴らしています。
脳の性質との関係
私たちの「脳」は、常に「分かろう」とするらしいのです。
脳が物事を分かろうとすることは、実体験として感じるところです。
例えば、最近よく聞くビジネス用語なんて、「分からない」ことだらけで、すぐにスマートフォンで調べて分かろうとしています。
(覚えられないことも多々ありますが、、、)
その「分かる」には、浅い理解と深い理解があるそうです。
- 浅い理解・・・小さな理解を積み重ねて、全体を理解しようとする「重ね合わせ的理解」
- 深い理解・・・自分で立てた仮説に沿って物事を観察し、仮説を検証することの繰り返しによって到達できる理解「発見的理解」
深い理解は、不可解な事柄を無視したり、よく考えずに答えを出したりせず、宙ぶらりんな状態を観察し続けることが必要と言えます。
つまり、、、ネガティブケイパビリティが、深い理解を与えてくれるということになります。
私的フィルターを通して解釈してみた
とても難しいので、私的な解釈をして、私の中の「自分が心地よく過ごせる概念」に追加してみました。
- 「どうしたものか?」と悩んでいられる自分は、ネガティブケイパビリティの能力発動中
- モンモンと悩んでいる時期があるからこそ、次のステップに堂々と進める
- 自分の気持ちを知ることが一番難しい。ネガティブケイパビリティ期は自分の気持ちを知るのに必要な時期
- 人生の節目、ここでいかにネガティブケイパビリティでいられるかが大切
詩人キーツの言葉をかりれば、これは「能力」(翻訳の都合かもしれないが)であるらしいことは、モヤモヤしている状態の私に自身を与えてくれています。
「言い訳癖」が自分←にも向いている
私事ですが、失敗が怖いタイプで、何か事を起こす時には、「言い訳」という保険をかけて臨んでいる自分がいます。
ネガティブケイパビリティの私的解釈も、もしかしたら、自分に対する言い訳なのかもしれません。
しかし、自分で自分を責めるより、自分に「今、ネガティブケイパビリティね」と言い訳を都合よく受け止めて、その時期にじっくり自分の本当の想いと向き合うことも大切なのではないかと思うのです。
立ち止まっている自分に「それでいいのか?」と問いかけ、責めている自分に、概念として「不確実にいられる能力なんだよ」示してくれた偉人達に感謝です。
まとめ
今回のネガティブケイパビリティの概念、私的解釈は、専門の先生方が見られたら、「なんだこれー!全然違う!」なのかもしれません。
私は、ネガティブケイパビリティに限らず、あらゆる考えや概念は、自分にとって有益をもたらす解釈であれば、私にとって「アリ」なのだと思っています。
受け取り方は、人それぞれで、過去の偉人の考えに、色々な人の考え方が加わって、ブラッシュアップされていく、仏教の教えもそうなのではないでしょうか?
また、「自分にあっているかどうか」は自分でしかわからない、と、私は思うのです。
「良いように考える」それに尽きるのかもしれませんね。
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